「愛してるよ茉莉」
「翔、私も愛してるわ」
あぁこれで何度目だろうか。
妹に向けられた『愛』を妹の代わりに『言葉』にするのは……
私にも聞こえているのに……
私が応えているのに……
妹の代わりに応える度、心臓がちぎれそうになる。
どうして?ねぇどうしてなのッ!
なんで私じゃないのッ!
『愛してる』の後に紡がれる名前が私の名前ならいいのに……
そんな事はある筈ないと分かっていながら望んでしまう。
あぁ辛い……愛してる人が別の女に愛の言葉を囁いているなんて……
……でもこれもきっと罰なのですね。
重罪を犯した私にかせられた甘く苦しい罰……