どこまでも続く緑溢れる草原の世界。



玄関の扉を開けると、夏の空にはありがたい心地よい風が、金髪の髪を揺らしてきた。



あぁ、母さんはいつのまにうちの庭を壮大なものにしたのだろうか、俺には検討がつかない。



人の体温にはピッタリな暖かいそよ風、足元を包み込むように柔らかい地べた、目の保養になる美しい景色。



あまりの心地よさに俺はふっ、と口元に弧を描き、





「現実逃避をしている場合じゃないな。どういう状況だ、コレ。」




現実を受け止め、今置かれている状況の困惑を口にした。