既に教室には何人かいた。見覚えのある人は...まだいない。黒板に大きく張り出された座席表を見て席に座る。
それにしても...最初の席が真ん中って...
外の様子も見えないし、人の視線もそこそこに集まる場所。私としては最悪のポジションだ。
用もなくスマホを取り出すと数件のメッセージが届いていた。
『せいちゃんせいちゃん。なんで先行ったのさ!』
『ちょっと静華!なんで私とこいつを置いて行くのよ!』
『せいちゃん!!』
『静華!!』
.....もう2人仲良しだよ。それぞれに返信をしてスマホをしまう。やる事がなくなってしまった。こんな時、麗央以外の友達がいたら...なんて思う事が多くなるから新学期は嫌い。
ただ机と睨めっこを続けていると、左隣からガタンと椅子を乱暴に引く音がした。その音に思わず隣を見ると
「あ...さっきの」
「ん?あ、階段で会った...」
あの金の混ざった茶髪の男子だった。
「俺、染谷 修一。まぁ1年よろしくな」
特に笑うでもなく無愛想な顔で握手を求めてきた。ずっと笑ってるきょうちゃんのせいか無愛想にされると戸惑ってしまう。そんな戸惑いの中、おずおずと手を握った。
「えっと...桐生 静華。よろしく?」
「おう」
ぱっと手が離れ、染谷君は机に突っ伏した。男子はずっと誰かと騒いでるようなイメージがあったからまさか自分に話しかけてくるとは思わなかった。
その日は始業式とクラス内での自己紹介だけだったから午前中には帰れた。
「桐生、また明日」
帰り際、いきなり染谷君に言われた一言に思いっきり動揺した。帰りの挨拶さえ、麗央以外からは久々で...
「あ、うん。じゃぁね」
声が裏返っていないか心配になった。態度は平気だったか、とか。友好関係が狭すぎる私にとって男子なんて本当に論外の友人で、まさか初対面同様の彼からこんな言葉が飛び出すとは...
「また明日...か」
新鮮な言葉に思わず頬が緩んだ。
それにしても...最初の席が真ん中って...
外の様子も見えないし、人の視線もそこそこに集まる場所。私としては最悪のポジションだ。
用もなくスマホを取り出すと数件のメッセージが届いていた。
『せいちゃんせいちゃん。なんで先行ったのさ!』
『ちょっと静華!なんで私とこいつを置いて行くのよ!』
『せいちゃん!!』
『静華!!』
.....もう2人仲良しだよ。それぞれに返信をしてスマホをしまう。やる事がなくなってしまった。こんな時、麗央以外の友達がいたら...なんて思う事が多くなるから新学期は嫌い。
ただ机と睨めっこを続けていると、左隣からガタンと椅子を乱暴に引く音がした。その音に思わず隣を見ると
「あ...さっきの」
「ん?あ、階段で会った...」
あの金の混ざった茶髪の男子だった。
「俺、染谷 修一。まぁ1年よろしくな」
特に笑うでもなく無愛想な顔で握手を求めてきた。ずっと笑ってるきょうちゃんのせいか無愛想にされると戸惑ってしまう。そんな戸惑いの中、おずおずと手を握った。
「えっと...桐生 静華。よろしく?」
「おう」
ぱっと手が離れ、染谷君は机に突っ伏した。男子はずっと誰かと騒いでるようなイメージがあったからまさか自分に話しかけてくるとは思わなかった。
その日は始業式とクラス内での自己紹介だけだったから午前中には帰れた。
「桐生、また明日」
帰り際、いきなり染谷君に言われた一言に思いっきり動揺した。帰りの挨拶さえ、麗央以外からは久々で...
「あ、うん。じゃぁね」
声が裏返っていないか心配になった。態度は平気だったか、とか。友好関係が狭すぎる私にとって男子なんて本当に論外の友人で、まさか初対面同様の彼からこんな言葉が飛び出すとは...
「また明日...か」
新鮮な言葉に思わず頬が緩んだ。
