あの部長さんも卑怯だ。


わたしの良心に訴えて返してもらえるように仕組みやがった。


あぁ…憎たらしい!


あと少しで見られたかもしれないのに。


普段あんまりイライラしないけれど、全てが上手くいかなくて情緒不安定になってしまったみたい。



「園田さん、ご迷惑おかけしました。では、わたしはこれで...失礼します」


「ちょ、ちょっと!」



申し訳ないけど、園田さんにかまっている場合じゃない。


自分のこのイライラをなんとしても発散させなければ...。


イライラオーラを全開にしながら、誰もいない薄暗い廊下を全力で駆けた。