7月7日。


わたしは天文部に頼み込み、屋上に望遠鏡を持ってきてもらうことにした。



「時間的に見えないと思うけど…良いの?」



「はい!大丈夫です!」



部長さんの怪訝そうな表情を脳内から消し去り、私は天の川を見るということだけに集中した。


誰にどう思われたって見てやる!


ここに越して来る前はこれが普通だったんだから。


わたしは毎年、田舎の空に流れる、夢と希望が形になった、あの輝く天の川を見ていた。


都会に来てから、空が濁っていることに気づかされ、落胆していたけれど、それでも天の川は見たかった。


空を流れる川なんて…ロマンチック…。


わたしの彦星は、どこにいるの?



なんちゃって…。