嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編

「智花ちゃん、ごめんなさい!」


体育館の裏口に捨ててきた上履きを拾い、朝のホームルームの開始時間ギリギリまで探し回っていた彼女の元に届けた。


何を言われてもいい。


嫌われたって良い。


仕返しされたってかまわない。


自業自得だから…。



「百合野ちゃん…どういうこと?」



智花ちゃんの目は腫れ上がり、瞳は充血していた。


あたしはその姿を見て、この数十分の間に彼女に向けられたであろう、冷たい視線や心無い言葉が思い浮かんできた。


心が凍りそうになるのを必死に耐えて、前触れもなく消えた上履きを探していたのかと思ったら、あたしまで泣けてきた。



「ごめんね。…許して」



朱比香に指示されたからと言うことも出来たけど、あたしがやったことに変わりない。


それだけ言ってあたしはその場を立ち去った。