「あれっ?私の靴…ない!」
「智花どうした?」
「上履きが無いの!」
真横で声を震わせながら泣いているクラスメートをあたしは完全無視して自分のクラスへ向かった。
…つらかった。
息が出来なくなるくらい苦しくて、自分がやったのだと思うと目も当てられなかった。
教室へ向かう途中で朱比香とばったり会ってしまった。
あたしは気づかないふりして窓の外に広がる曇り空に目を向けていたけど、朱比香はあたしに気付くとすぐさま駆け寄ってきた。
「百合野、ナイス!ぜんっぜん、バレてないし、上出来だね~」
あたしはどう答えたら良いか分からなかった。
ただ無言でやり過ごそうと時間が経つのを待ちわびていた。
「また何かあったら頼むわ」
...また?
次もあるの?
あたしはしばらくその場で立ち尽くしていた。
次々と生徒が登校してきて、あたしを知っている子は普通に挨拶して教室に入っていく。
昇降口で泣いていた智花ちゃんはまだやってこない。
もしかしたら必死に探しているのかもしれない。
あたしの心は…
まだ汚れていなかった。
「智花どうした?」
「上履きが無いの!」
真横で声を震わせながら泣いているクラスメートをあたしは完全無視して自分のクラスへ向かった。
…つらかった。
息が出来なくなるくらい苦しくて、自分がやったのだと思うと目も当てられなかった。
教室へ向かう途中で朱比香とばったり会ってしまった。
あたしは気づかないふりして窓の外に広がる曇り空に目を向けていたけど、朱比香はあたしに気付くとすぐさま駆け寄ってきた。
「百合野、ナイス!ぜんっぜん、バレてないし、上出来だね~」
あたしはどう答えたら良いか分からなかった。
ただ無言でやり過ごそうと時間が経つのを待ちわびていた。
「また何かあったら頼むわ」
...また?
次もあるの?
あたしはしばらくその場で立ち尽くしていた。
次々と生徒が登校してきて、あたしを知っている子は普通に挨拶して教室に入っていく。
昇降口で泣いていた智花ちゃんはまだやってこない。
もしかしたら必死に探しているのかもしれない。
あたしの心は…
まだ汚れていなかった。



