「ちょっと赤星くん!あたし、前言ったよね?ことちゃんに手出さないでって。忘れたの?」



「忘れてなんかないよ。しかも、手出すって、そんな言い方ないだろ?星名さんに勘違いされるから止めてもらいたいんだけど」



全く、営業妨害も甚だしい。


そんなに俺が嫌いか?


敵意剥きだしにされちゃあ、俺もどうしようもないな。


とはいっても園田さんの許可なんて関係ない。


俺の感情の赴くままに、やりたいことをやればいい。



俺は園田さんを空気だと思うことにし、星名さんに再び話しかけた。



「星名さんは、夏休み何か予定ある?」



「だから、ことちゃんに話しかけないでってば!!赤星くん、耳、大丈夫?日本語、聞き取れない?」



と、園田さんの邪魔が入ったが、呑気な星名さんは澄みきった瞳をこちらに向けながら答えた。



「特にはありません。少々家の用事で出かけられない日もありますが…」



「ことちゃん何言ってるの?!この人とは、どこにも行っちゃダメだから!危険人物なの!」



そんなことは…。



俺が口を挟もうとしたが、



「そんなの、実際に関わってみないとわかりません!理論より実践です!私は…赤星くんと…仲良くなりたいです!」