学校が終わるやいなや、オレは教室を飛び出し、自転車を全速力で駅まで走らせ、電車に飛び乗った。


海よりも大きくて、深い青色をした空には雲一つない。


車窓から覗く景色に白いカモメが映り込む。


青と白のコントラストは夏の象徴だ。


駅で停車した際に滑り込んで来る風は生ぬるく、電車内の冷気と混ざり合ってちょうど良い温度になる。



近づいて来る、あの場所。


オレにこれからたくさんの初めてをくれるカノジョが今か今かとオレを待っているだろう。



オレの夏は始まる。