「……あ、あのっ、」



そう声をかけられたのは、ちょうど通学バスを降りた時だった。


どうしたのかと、首をかしげると途端に女の子の頰が赤くなる。


そこで女の子の意図に察しがついてしまうのは、最早これまでの経験のなせる技なのかもしれない。



「前からかっこいいなって思ってて——、突然声かけたりなんて迷惑なのは分かってるんです。でも……好きなんですッ」