その日もあたしの願いはむなしく散って、かなり忙しかった。
案の定 汗かいて顔テカテカ。化粧よれよれ。
「麗奈ーあぶらとり紙ちょうだあい」
「はいよ。てかマナ携帯光ってるよ?」
「あ、ほんまや」
あたしはあぶらとり紙を顔にペタペタしながら、"不在着信"の表示を押して 着信履歴を見た。
あ、ナギかぁ。電話しやな。
ん!!!てか翔ちゃんに電話かけ直さな!
あたしはさっさと化粧を直して、まかないを急いで食べて、ナギたちのいる居酒屋に向かう途中 翔ちゃんに電話した。
もし それっぽいこと言われたら、今から飲んで泣いて暴れよう。
ほんで、明日はバイト休みやからぐっすり寝よう。
あたしは決心して、通話ボタンを押した。
「もしもし?」
『マナ?バイトやったん?』
「うん、まぢ疲れたよ」
『お疲れさん。てか明日バイト?』
「休みやけど‥?」
『夜飲みに行こや!なんかゆっくり飲みたい気分やねん(笑)』
「うん!!行く行く!」
思いがけない誘いにあたしはめっちゃビックリした。
まだマナは翔ちゃんのトナリにおっていいん?
おらしてくれんの?
1番目じゃなくても、2番目でもなくても、何番目でもいいよ。
翔ちゃんがマナといる時だけは、マナだけを見てくれるなら‥‥
あたしはもう周りなんて見えてなかった。
