「『ここか、かの美しい姫君が眠っているといういばらの塔とやらは。…なんとまあ恐ろしいのだろう、だがしかし!私が必ずや姫を眠りから目覚めさせて差し上げよう!』」


「わあっいいね、綾乃ちゃん!すごいかっこいい!」

「そ、そうかな」
(お風呂で何回も練習して良かったー!本当は私も人前に立つのが得意って訳じゃないけど、チャレンジするいい機会だし頑張りたいもん!)


「意外とハマってんな。もっとひどいかと思ってた」


「ちょっとー輝が推薦したんでしょー!でも大丈夫!意外と千秋先輩も輝より私の方が良いって言ってくれるかもね?」


「ふざけんな!千秋先輩は俺が絶対悩殺してやるんだからな!」

ごっほん


愛海ちゃんが咳払いする。

「えーっと、今クラス全員で劇の練習してるからね?ここバスケ部の部室じゃないからね?千秋先輩の話は後ででもいいよね?」

にこにこしてるけど、目が笑ってない…!


「2人とも、頑張ろうね♡」


「「は、はい……」」