「那望。おはよぉ」

小草のおっとりとした声が私を呼ぶ。



「ん、おはよー」




私は小さく手を振って声をかける。



霧がかかっている朝。少し曇った青い空を見て、大きく息を吸う。


「どうしたの?」



小草の声に、私は小草へと視線を移して言う。


「んー、気持ち良くない?晴れている空の空気吸うの」



私は、澄んだ空気が大好きだ。肺が洗浄されるような、そんな気がする。気分も良くなるし。


「んー、確かにそうかもしれない。ん、那望が言ってるから、そんな風に思えてきた」




小草は小さなエクボを見せながら呟いた。