『松岡さんはなぜあんな事に?』


『あいつはでしゃばったんだよ』


『でしゃばる?』

急に怖い顔になった夏森先生に嫌悪感を抱きながら
聞き返した


『そうだ、彼は、彼は止めようとしたんだよ』


『何をですか?もしかして若い男と関係ありますか?』


ふと公園の若い男性の事を思い出し
探りを入れてしまった。


『知っているのか?アレを』


『えっ?』


一瞬戸惑った…物のような言い回しで強調してくる夏森先生の顔はやはり眉をしかめていた


『アレは、人間ではない…そして彼はそれを利用しようとしたが失敗してあの通りだ』


『失敗?何を言ってるんですか?』


『訳が分からないだろうが悪いのは彼だ』


『松岡さんは優しい方でしたよ!父が死んだ時も優しく慰めてくr』


話を遮るように夏森先生は続けた


『高宮を殺したのは彼、松岡だ…』


頭が真っ白になった…
一緒に泣いて悔やんでたのは嘘だったのかと…
一緒に頑張ろうと言って医学に進ませたのも…
全部、演技だったのかと…


『一から説明したほうがよさそうだね』


『…』


無言のまま聞くしかなかった…



話を聞くとこうだ
例の薬の開発を三人で行ったが中心的に松岡と父が特許を取っていたらしい、父は流通させるためにと考えていたが松岡はそうは思わなかった。
父は説得しようと松岡に会いに行ったところ…
殺されたのだと…
結果的に、私欲の為に父を殺害して、証拠隠滅したのだと…


今では億万長者の死者って訳だ。


『…』


『分かってくれたかな?』


『それじゃあ…これは誰が書いたものなんですか?…』


公園に落ちていた手紙を見せた


『これは高宮の字だ。間違いない、あの日に証拠隠滅しようとした結果ずっと持っていたのだろう。慎重な奴だからな、そこらへんに捨てたもんなら俺が拾って警察に届け出ると思っていたんだろ』


『そう、だったんですか…』


『頭がおかしくなっていたからな、持っていても仕方ない…』


『何故そんな事に?』


『何故ってMP薬のせいさ、表向きは若返りとか言われてるけどな』


『どういう…事ですか?』


夏はもう分からなくなっていた、
いろいろな事を知って
裏切られてたという事も
頭の中は真っ白になっていた


『とりあえず、今日教えれることはここまでにしとくよ、明日またおいで』


『分かりました…』


帰りの車の中、山城に全て教えて
帰路に着いた。
もちろん、この話は弟にはしない
あまりにも酷な話である
唯一の理解者が親の命を奪っていたなんて

『サリィ、検索、公園変死体』

『分かりました夏様、検索中…ヒット353件』

『その中から、若い男性についての書かれてる物を探してくれないか?』


どうしてもすぐに知りたかった…あの男はなんなのか…何故松岡を殺したのか…


『検索中…ヒット0件、申し訳ございません』


『そっか…悪いなサリィ…明日も早いから目覚ましをかけといてくれ』


『了解しました、おやすみなさい夏様』


『おやすみ、』


夢の中…
父との思い出が泡のように思い出す…
その中に1つ不思議なものが…
それは…