山城から電話が来た、どうやら俺の父の研究センターの人が事件の被害者らしいとの事を聞いた。


『松岡さん…』


車を運転しながら思い出していた。
松岡さんとは、父が死んだ時に
会ったことがあるのだが
とても気の利く優しい人だった…


『もしかして、手紙を書いたのは松岡さんだったのかな…』


そう内心思いつつ父の働いてた
研究センターに足を運んで行った。


『すいません、高宮ですが』


ケバい受付嬢がこちらを見ながら


『どうぞ、エレベーターの方へ』


どうやら顔パスらしい、父の一件以来
たまに来てはいたものの、
顔パスで来れる日が来るとは…
少し嬉しい。


『えっと…生命医療研究室は…15階だっけな?』


15階までの間高速エレベーターで登っていく
その間約5秒だが、体感では一瞬に感じた。
昔の懐かしい記憶が走馬灯のように…


『って、これじゃあ死ぬ間際みたいやん(笑)』


ツッコミを一人で入れながらも15階に着いた

想像では、某ゾンビゲームのように地下に研究室がありそうなものだが、地下深くに作るのは予算的にも立地的にも難しいようだ。

ついたフロアは生命医療研究というものを行なっている。父が発見した若返り薬みたいなものだ。

正式名称は
新陳代謝促進薬
外国ではMPと呼ばれる事もあるみたいだ


『MPとか、魔法ゲージで使いそうな名前だよな』


なんて、口に出しながら鼻で笑った。


『お!夏くんじゃないか!』


『こんにちは、夏森先生』


この人は夏森 新一(なつもり しんいち)研究センターの生命医療研究の研究員。父のパートナーであり良き親友だったそうだ。


『今日はなんの御用かな?』


『実は先週の件について…』


『あぁ…彼のことか…そこにとりあえず座って』


『はい』


フカフカの革製ソファーに座り、コーヒーをガラス製のテーブルに置かれ夏森先生は反対側の椅子に座った…