誰かとぶつかってしまった。
横を見ると、女子が尻餅をついて座りこんでいた。
「悪い…大丈夫…?」
「い、いえ…。」
俺は手を差し伸べた。
「ちょっと、何してんのよ。」
俺の前の席に座っていた女子が俺を睨みつけながらそう言った。
「麗ちゃん!そんなに怒らないで?
えっと…こちらこそぶつかってしまい、すいませんでした…。」
「“かれん”は謝んなくていいの!」
“かれん”…?
聞き覚えのある懐かしい名前が俺の耳に入った。
「そもそも、その髪どうなの?
登校日初日からキンパって。
この子が怖がるからやめてくれない?」
「そんな言い方はないだろ!?
ルカの金髪は生まれつきだっての!」
