約束のひこうき雲


悲しそうな表情をしている華恋に俺は


「…そっか。記憶戻るといいね。」


と微笑むと


「うん、ありがとう。」


華恋も微笑んでくれた。

その笑顔は昔と変わらない優しい笑顔だった。


「えっと…多数決により、花壇にはひまわりを植えることになりました。
水やりの日程表をまた配布します。

これで委員会を終わります。」


礼をした後、華恋はそのまま教室を去ろうとしていた。


「ちょっと待って!」


俺は帰ろうとしている華恋を呼び止めた。

華恋は振り返り、不思議そうな顔をしていた。


「何?」


たとえ俺との記憶がなくても…………