「今度ランチ奢るっ!お願い!!」
「一沙!協力してあげて」

麻美にまでお願いされたら断わりにくい。


「お前ら、一沙に押し付けるなよな」

教室の後ろ側からそんな声がした。
振り返ると、文幸が呆れたような顔でこっちへ歩いてくる。

「いくら方向同じでも気の毒だろ。村ちゃん堅物だしさー」
「文幸は黙ってて!」

何だか揉め始めてしまった麻美たちを横目に、私は小さなため息をついた。

「分かった。私が責任持って届けるから」
「ほんと?」
「うん。任せて絵梨」

いざという時NOと言えない性格。
本当にこの性格そろそろどうにかしたい!


「お前もホントお人よしだな」

麻美や絵梨たちが帰っていって、教室には私と文幸の2人だけになってしまった。