「…」
「それ以上のことも。2人で準備室に入るの見たんだから」

香川は大きな誤解をしているようだ。
確かに誤解されても仕方ない状況だったと思う。
でも私はあの後すぐに化学室を出ていったのに、そこまで見てなかったんだろうか？

「別に大したことじゃないよ。ピュアな香川さんには信じられないかもしれないけど！」

私は敢えて否定しなかった。
きっと香川は村田先生のことが好きなんだろう。
好きな人をこんなだらしない女に取られてさぞかし悔しいはず。

でもね
あなたが憧れてる真面目な村田先生だって同じようなもの。

「私は先生に少し興味があっただけ。先生は欲に負けただけ。ただそれだけだよ」
「…本気でやるからね、私」