赤い刻印 - Secret Love -

怒っているかと思ったら意外とそうでもなく、むしろ妙に熱のこもった瞳で見つめられてドキッとする。

「今なら訂正できるぞ?」
「訂正?」
「さっきの挑発」
「し、しないよっ」
「いざとなったらどうせ逃げるんだろ」

また子ども扱いするような表情をするから、私も負けじと先生のほうをキッと睨んだ。

「逃げない。私はそんなヤワな女じゃないし!」
「あっそ」

先生は少し呆れたように笑う。

「あんな可愛いキスだけでも震えてたくせに」
「震えてない!」
「ふーん?あれ以上したら矢沢どうなるんだろうね」
「子ども扱いしないで」

強がってみたけど、動揺を隠せないこと先生は全てお見通しのような表情をしている。