「煮物じゃなきゃ食べない」
「ばあちゃんなー。煮物なんて俺作れないから」
「自分で作るからいいよ」
「火付けっぱなしにするから駄目だって言って…」

おばあちゃんの言葉にため息をつく先生。
先生、おばあちゃんの介護でもしてるのかな?
目の前にいるおばあちゃんはまるで子どもみたいな言動を繰り返している。

「あのっ!私、煮物くらいならできるよ?」

揉めている2人を前に戸惑いつつも私は口を開いた。
2人の視線が一斉にこっちに注がれる。

「こう見えても料理は得意だから!良かったら作るけど」
「矢沢、そんなのいいから」
「あら、こちらの子は?教え子さん?」

ようやくおばあちゃんは私の存在に気を止めてくれたみたい。