視線を向けた庭のほうから1人のおばあちゃんが顔を覗かせた。
パッと見た感じだと70代後半くらいに見える。
年齢からして恐らく先生のおばあちゃんだろう。

「明仁遅かったね。どうしたんだい?」
「どうしたっていつも通り仕事だよ」
「待ってたんだよ。お腹空いてねぇ」
「ヘルパーさん作ってってくれなかったの?」
「煮物が食べたいって言ってるのに別のもの作るから口つけてないんだよ」
「ばあちゃん、またそんなワガママ…」

矢継ぎ早にそんな会話が繰り返される
私はそのやり取りをボーッと見つめていた。

何だかいつもの先生と様子が全然違って興味深い。
やけに人間くさいというか…。
学校での先生は基本ポーカーフェイスで感情の起伏が少ないから。