「じゃあ俺はそろそろ戻るわ」
「えっ!?もう?」
「仕事抜けてきたんだよ」
「私も今すぐ千葉に行くっ!」
「バカ!ちゃんと段階を踏んでからだよ。まずはお前のお母さんのところに…」
「えー、めんどっ」
「ダメダメ。他にもしなきゃいけないことが色々とあるんだよ」
「ぶ~」
「ということだから、また日を改めて迎えに来る」
「……」
やっぱり村田先生は村田先生だな。
しっかりしている(笑)
***
私の挑発から始まった恋。
今思えば、私たちは最初から惹かれ合っていたんだと思う。
私は先生から『先生』という立場を奪ってしまったし、私自身だって犠牲にしたものは多少なりともある。
