赤い刻印 - Secret Love -

『矢沢一沙』
「はい」

名前を呼ばれて私は椅子から立ち上がった。

…先生との別れから1年。
1年は長いようで短かった。
先生との噂は消えることはなかったし、未だに好奇の目で見られることもある。

でも、クラス替えもあったし何とかそれなりに1年間過ごしてこれた。
香川とは3年も同じクラスで結構いい友達になってたりもする。
他にも友達はできたし。
麻美たちとつるんでた時とは違って本当の自分でいられた気がするんだ。

母親とは本音で話すようになって、最近はそこそこいい関係を築けている。
母親と修二さんはもうすぐ正式に籍を入れるみたい。
…こうやって振り返ると結構楽しくやってこれたと思う。