何だか諭されているようでちょっとだけモヤモヤする。
1人でモヤモヤしていたら、今度は想定外の言葉が舞い降りてきた。

「卒業したら迎えに行くから」
「へ…？」

先生のその言葉に勢いよく顔を上げる。
先生も私のほうを見つめていてバッチリと目が合った。
今、何て言った？
迎えにって…。

「1年経ったら迎えに行く。だからちゃんと卒業して」

先生は少し照れたように、だけどハッキリとした口調でそう言った。

「せんせ…」

先生と一緒に千葉に行きたい。
だってここで離れたら、もう先生とはそれっきりだと思ったから。
だからこんな強行策に出たの。
そんなの許してくれるわけないって最初から分かってたけど、無理やりにでも付いてくつもりだった。