「ホントに~?まあキスだけでも結構際どいよ」

せっかくお互いの気持ちが通い合ったのに、春からはもう先生と生徒じゃないのに…。
先生は私の前から去ろうとしている。
それはきっと私がまだ未成年だから。

先生は色んな人と出会って色んな経験をしろと言ってた。
きっと私の将来のことを考えての言葉だろう。

「犯罪でも、世間の人に白い目で見られても気にしないよ。私、先生といられるなら…」
「なら?」
「先生と一緒にいられるんなら全部捨てられる」
「全部?学校も家族も?」
「うん」
「あのねぇ。先生は矢沢さんが処分受けないように自分だけ悪者になって辞めようとしてるんだよ?」
「分かってる」