「ごめんごめん。やけにテンション高いけど良いことあった?」
「別にー。そういえば一沙、模試の結果どうだった?」
「まあまあ」
「ぷっ、さえない顔!」
「んー。察してよ」


私、矢沢 一沙(やざわ かずさ)は17歳になったばかりの高校2年生。
どこにでもいそうな普通の女子高生だ。

見た目は平均的で学校の成績もそこそこ。
一応クラスでは中心的なグループに属してるし順調な高校生活を送っている。
俗に言う『要領良く生きてる子』の典型的なタイプかもしれない。

でも過去には少しだけ傷がある。
それは実の父親からの虐待。
今はもうこの世にいないけどね。