私はギュッと瞳を閉じて先生の次の行動を待つ。
だけど先生は何にもしてくる気配がない。

そして彼の視線が私の鎖骨辺りにあることに気づいた。
制服のシャツの隙間から少しだけ見える、あの火傷の跡。

「あ!これキスマークじゃないからね」
「そうなの?」

やっぱり誤解してた。
位置が位置だから間違われても仕方ないんだけどね。

「火傷の跡だよ?」
「ふーん」

私の言葉をあまり信用してない様子の先生。
まじまじと火傷の跡を見つめている。

「ホントだもん!タバコの跡」
「タバコ?」
「昔、父親にやられたの。処置間違えて跡が消えなくなっちゃって」

先生は私の突然の告白に戸惑ったような表情を見せた。