私は猛ダッシュで化学室を後にした。

先生はこれ以上私と関わらないほうがいい。
ただの生徒と先生だった少し前に戻るだけだ。
あとは香川が黙っていてくれればー…。


***


あれから5日。
今日もいつもと変わらない朝。
私はいつも通り教室のドアを開けた。

だけど今日は何かが違う。
ドアを開けた瞬間、みんなの視線が一気に私のほうに集まったのだ。

「…?」

不思議な雰囲気に首を傾げつつも、私は自分の席へと向かう。
その途中で麻美と絵梨の姿を見つけた。

「おはよ!麻美、絵梨」
「…」

なぜか2人からの返事がない。
私は不思議に思ってまじまじと2人のほうを見つめた。
麻美と絵梨は2人揃ってこっちに冷たい視線を送っている。