「一沙、最近付き合い悪すぎるよ」
「そうだよ。この間のお礼も兼ねてカラオケとご飯でもと思ったのに」

絵梨は先生から誕生日プレゼントのお礼を言われたと大喜びだった。
絵梨にはめちゃくちゃ感謝されたけど、私は彼女にお礼を言われる資格はない。
絵梨の気持ちを知りながらも先生とあんな風に一緒に過ごしていたんだから。

「ごめん絵梨。また誘ってね」
「分かった」

絵梨は納得してくれたみたいだけど麻美のほうはまだ不服そうだ。

「また香川なの?」

麻美がぷくっと口を尖らせてそう呟く。

「借りがあるって言ったけどさー、本当は何か弱み握られたんじゃない?」
「!」

麻美のその言葉にドキッと心臓が跳ね上がる。