「ちょっとね。文幸こそどうしたの?」
「俺は保健室に用事があってな。もしかして村ちゃん?」
「あー、うん。まあ」
「入ればいいのに。電気ついてるし多分中にいるでしょ」
「うん…」

はっきりとしない私の態度を見て、文幸は不思議に思っているみたいだ。

「大した用事じゃないしまた別の日にしようかな」
「え?いいの?」
「うん」
「何かさ、お前最近変じゃない?」
「え?」
「香川の言いなりになってるみたいだし、もしかして村ちゃん絡んでる?」

文幸の言葉にドキッとする。
何でこんなに勘が鋭いんだろう。

「村田先生?全然関係ないよ」

私はなるべく平静を装って笑顔を作った。