自分でも不思議なくらい自然に言葉があふれ出してくる。
私、ずっと先生のことを意識していたのかもしれない。

「私が逃げなかったら先生はどうするつもりだった?」

先生は気まずそうに私から視線を外した。

「私、あのまま先生と……」
「矢沢」

先生が私の言葉を遮るように口を開いた。
その続きを言わせないように。

「矢沢、もうウチには来るな」
「え?」
「俺たちは教師と生徒なんだよ」
「…」
「もう来ちゃだめだ」

突き放すような表情と言葉に何も言えなくなってしまう。
しばらくすると自然と涙が溢れてきた。

「ちょっ!泣くことはないだろ」

先生は私の涙を見て慌てているようだ。