「先生ー。あの星は何?」
「どれ?」
「あれあれ!…ぎゃあ!」

上ばかり見て歩いていた私は不意にバランスを崩してしまう。
転びそうになった私をとっさに支えてくれた先生。

「大丈夫か?」
「うん。ありが…」

私はようやく自分が先生の腕に包まれていることに気づく。
先生腕の中は暖かくてすごく心地がいい。

「あ、ごめん」

先生は少し照れくさそうに私の体から離れた。
少し抱きしめたくらいで謝ることないのに。
だって今さらどうってことないでしょう?

でも今、心臓が飛び出るかと思ったよ。
おかしいよね。
あんなことまでしちゃったのに今さらドキドキするなんて。