赤い刻印 - Secret Love -

確かに重そうだけど2人でも十分足りそうなのに。

「お前、確か今日の日直だろ」
「まあ…」
「はい、じゃあこれ」

村田先生は私のほうに大量のノートを差し出してきた。

「早く持って。1階の化学室な」
「…ちぇ」


* * *


「よしっ、完了!!」


渋々1階の化学室まで大量のノートを運んだ私。
確かに教材やノートを合わせればそれなりの数があったけど、先生と香川2人だけでも持てなくはない量だったのに。
新手の嫌がらせ?

私の視線に気づいたのか村田先生も私のほうに視線を向けた。


「お疲れさん」
「じゃあ私たちはこれで」
「あ、矢沢」

香川が先に出て行ったことを確認して先生が私のほうに近づいてくる。