「俺ですか?俺は海原 清波(セイハ)です。今から。」

「勝手に婿入りするな」




手を挙げた男は日に透ける柔らかそうな色素の薄い髪に白い肌、

綺麗な輪郭に通った鼻筋と絵に描いたように整った顔立ちだが、

どこか冷めた瞳をしていた。


それでも今の彼は至って真剣な表情である。




部屋の全員の視線が男に向けられ、無駄にイケメンな彼が冗談なのか本気なのか分からず困惑していた。





会長の後ろに立ち様子を見ていた2年の生徒会役員、竹中が見兼ねたように会長に声をかける。




「会長、こいつ入学式の日にも来てた1年ですよ…。

ほら、会長と親しげな会話を繰り広げてるからてっきり知り合いかと思ったら、まさかのお互い初対面で俺が激しくつっこんでしまった時の」


「あぁ。あの時の。」