優しく私の形をなぞる指がもどかしく、体を捩った。私の上に彼が居る。重いはずなのに、体がまるで浮いて居るような心地がする。すごく気持ちいい。

全身浮遊感に包まれ、意識すらもどこか遠くに飛んでしまいそう。

時々私に落ちてくる彼の、先ほどまでは感じられなかった匂いが胸を締め付け切なくなる。

あぁ、欲しい。

彼の頬を手で包むと、彼はまた私に落ちて来て、ゆっくりと口付けた。そして身体中にキスを降らしたあと、いくよ、と耳元で言った。

早く、欲しい。

背中に手を回すと彼が入ってきた。知らずのうちに声が漏れ、あまりの快感に身体が跳ねる。

まるで彼の歌声のよう。心地よさと快感の渦にただ身を寄せた。彼の体温には不思議な安心感がある。

彼の腕の中は幸福に満ち満ちていた。

その幸せが頂点に達するとき、私は彼とともに上り詰めた。