月曜の朝、目が覚めた途端にウキウキした。
そのケータイを手に取り、翔太のことを考えた。

早く会いたい!

友梨亜は、早く会いたいあまりに、いつもよりも少し早く家を出て、早く駅についた。

ホームには翔太の姿はまだない。

いつも乗る電車の1つ前の電車がこれから到着しようとしていた。

電車がやってきたけど、あたしはベンチに座ってそれを見過ごした。

電車が行った方向を見ると、翔太が向こうから歩いてくる。

あたしは思わず、ケータイを持っている手を翔太に向かって振った。

翔太はケータイに気付いたみたい。

あたしのところへ来るなり、おはようも言わずに、

「お前、ケータイ買ったんだ!」

と声にした。

「うんうん、ねえ、翔太君のメアド教えて」

「こうすりゃいいよ。赤外線ってやつで交換できる。」

「は?なにそれ?」

「いいからちょっと貸して」

そういって、翔太はわたしのケータイを取っていじくり、私に手渡した。

そのときあたしの手と翔太の手が触れた。

ドキっとした。

「この赤い部分を俺のケータイに向けて」

あたしは言われたとおりに、ケータイを翔太のケータイにくっつけてみた。

なんかラブラブなカップルみたい、このケータイたち。

するとケータイに「受信中」って文字が出た。

翔太のデータが私のケータイに送られたんだ。

「アドレス帳に俺のデータ入ってるか、見てみて。」

あたしはアドレス帳を確認した。

昨日、いろいろいじったからもう操作は慣れたもんだ。

すると、翔太の名前があった。

それを開くと、翔太の携帯電話とメアドが表示された。

「すごい!」

電車が来たので、翔太と一緒に電車に乗り込んだ。

いつもと違い、あたしたちは無言。

あたしは翔太にメールを試しに書いている。

翔太もあたしにメールを送ってみると言う。

文字打ちはまだぎこちない私だ。

そうしているうちに、いきなり「メール受信中」と画面に出た。

ボタンを押して操作した。