ずっとキミが好きでした。

しかし、ヤツらの邪魔はありとあらゆる場面で繰り返された。



体操服に着替えようとすると、バッグを奪われ、ボール代わりに使われ、紅白帽を被ればもぎ取られてブーメランがわりにされた。



それだけじゃない。



ヤツらが勝手におれを推薦し、学級委員をやらされたこともあった。


推薦したのだから、普通は応援してくれるはずだ。


学級委員なんて所詮、先生のパシり役だ。


プリント配ったり、ノートを集めて持って行ったり、話し合いで議長をやったり…。


その全てでヤツらは邪魔してきた。





「おっつかれ~」





そう言って近づいて来たかと思えば、おれの運んでいたプリントに横から手を伸ばし、数枚取ってバラまく。


登ってきた階段を逆走していくプリントを呆然と見つめ、立ち尽くす。




 
「あっ、ごめ~ん!プリント落ちちゃった!アハハハ!」





怒っても無駄だと悟ったおれは、もはや黙ってプリントを拾い集めるしかなかった。


無様な姿を過ぎ行く何人もの生徒に拝まれ、おれは顔を真っ赤にした。


それを見て、あっすーは満足そうに、上階から見下し、高らかな笑い声を上げていた。