ずっとキミが好きでした。

「ここ」




明日音くんが指差したのはパン屋さんだった。


手作りだと思われる木製の看板には“Tomorrow”と書かれている。

 
英語をまだ習っていなかった私は首を傾げた。






「トゥモローっていうんだ。日本語で“明日”って意味」






「“明日”は明日音の“明日”だ!」





「そうなんだよ。オレ、運命だと思う!んで、ここのあんパンが旨いんだよ!翼には特別に教えてやるから、ありがたく思えよ」






明日音くんは「ちょっと待ってろ」と言い残し、Tomorrow目掛けて突進して行った。


朝から降り続いていた雨がようやく止んで、山の端に太陽が隠れていた。