三日目以降も紙媒体のみでのやりとりが続いた。



私は『もう要らない』というメッセージが送られても尚、懲りずに甘いお菓子を作り続けた。


明日音くんが心と扉を開きかけたのに、私が途中で諦めたら、また最初からやり直しになると思った。


いつ開いても良いように、私は毎日待つことにした。




土の中で眠っているもぐらを地上に出てきた時、一番に見たい。


地上に出てきた瞬間を見られなくても良い。


ずっと観察していれば、空いた穴、通って来た道から私の声で彼に呼びかけることが出来る。




私は信じていた。


自分も、明日音くんも。