文化祭の片付けが終わり、私は鞄を持って教室を飛び出し屋上に向かった。


全速力で駆ける少女に目を丸くしている人もいたけれど、そんなの無視して廊下を駆け抜けた。




屋上で見たいものがあった。


時間的にはギリギリ。


イチかバチかの賭けに出た。





屋上の扉を勢い良く開けると、そこには薄暗い空が広がっていた。





間に合わなかった。


太陽はすっぽりと山の影に隠れて見えなくなっていた。


うっすらと白い月が東の空に浮かび、どこへ向かって行くのか、飛行機のライトが点滅していた。


秋の少し肌寒い風に吹かれながら、私は長かった一日を振り返った。













文化祭の終わりが、長い夜の始まりを告げた。