９月になると始まるのは文化祭の準備だ。


高校時代の行事の中で、おそらく一番盛り上がり、一番記憶にも残る行事だろう。


私の学校は毎年文化祭が開かれる。






去年私は文化祭を欠席した。


当日いてもいなくても対して変わらない小道具係りだった。


シンデレラをやるというクラスメートのために、当時苦手だった縫い物に勤しんだ。


自分が袖を通すことの無い、スパンコールがたくさんあしらわれたキラキラのドレスを作っている時が一番精神的にきつかった。


針穴にまともに糸も通せず、毎回糸を入れるのに四苦八苦しながらも、３人分の衣装の装飾をこなした。




しかし所詮衣装係り。


誉められたとしてもクラスメートの一部からだけ。


他クラスの先生や他校の生徒、地域の人などの目に触れても直接誉められることはない。


聞こえて来ても、衣装きれいだったね～とかその程度。




誰が作ったなんて気にしない。


それならいっそのこと、休んでしまおう。




そんなノリで私は去年、家で過ごすことを選んだ。


「当日来れなくて残念だったね」なんて言ってくれる友だちも私にはいなかったから、ある意味気兼ねなく休んでいた。