愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。


「大丈夫だよ。お仕事頑張って」と慎ちゃんに返事をすると私は少し休もうとしてソファーに横になった。

今朝より体が重く感じるのはきっと気の迷い。

気のせいだと暗示をかけ、目を閉じる。

こうやってゆっくりしてれば大丈夫なはず。

これ以上酷くならないように少し仮眠して明日に備えるべし。

お婆ちゃんのことも気になるけど、命に別状はないとさっき母からもメールが入ってた。

だから一先ずはこの身を休めないと。


だけどこの時、私は冬の風邪を甘くみていた。

自分が思ってる以上に体の中ではウイルスが増殖してることを。

だけどそれに気付くのはあと3時間ほどしたあとで…、仮眠から目覚めて酷い吐き気に襲われた私は急いでトイレに駆け込んだ。

そして何度か吐くと今度はお腹の痛みにも襲われる。

そのままぐったりとトイレの隅に倒れるように座り込むと、ようやく事の重大さに気づき始める。

これは紛れもない胃腸風邪というやつで、私の気力は次第に失われていく。


……これ、まずくない?

病院に行くレベルなんじゃないの?

はぁと肩で息を吐きながら、羽織っているカーディガンのポケットの中から携帯を取り出してみる。

時間を確認するともうすぐ19時になろうとしてるところだった。

この時間じゃ近くの内科には間に合わない。

救急のある総合病院までは距離があり、とてもじゃないけど、自分で行ける気力はない。