それに反応したのは私の方だった。
あまりに微妙な沈黙が続いたので不思議に思い、恐る恐る振り返ろうとすると、それを制したのはやっぱり固くトゲのあるコウさんの態度。
「……ずいぶん楽しそうでいいな」
「…楽しい?というより少し疲れましたけど。母が無理に頼んだせいで慎ちゃんにも貴重な休日に付き合わせちゃって。ほら、荷物とか沢山持たせちゃったし、申し訳なかったなって、少し反省です」
そこまで言うと、今度は深いため息が落ちてきた。
どうしてここでため息…?
とは思ったけれど、ぎゅっと抱き締められてるせいで、彼の顔色を伺うことができるわけもなく。
「反省するのはそこかよ…」
やっぱり意味深いトークは続く。
コウさんの言いたいことが分からなくて顔を傾けるも、あまり意味はない。
「…あの……」
「梨央お前さ、自分の行動にはちゃんと責任をもてよ」
「……責任って?」
「もっと自覚しろ。お前が思ってるほど男は単純じゃない。後で予想外のことが起きても俺が全て対処できるとはがぎらない。もっと慎重に物事を判断しろ」
「……どういうこと?」
ますます意味が分からない。
力いっぱい振り返るとコウさんのやっぱりトゲのある表情に睨まれた。
その瞬間心の中でぞわぞわと、よく分からない感情が顔を出し、不安が込み上げる。



