コウさん…
その言葉に感動した。
私の周りには優しい人が沢山いる。
それに気付いた私は再び胸の奥が熱くなる。
最近つくづく思う。私は人脈に恵まれてるんじゃないかって。
それは唯さんや西田さんも同様。慎ちゃんだって相変わらず優しく接してくれるし、私は改めて幸せ者だなって実感することができる。
「ありがとうございます」
思わず瞳を潤ませると、なぜなコウさんがじっと私を見つめてきた。
何だろうと見つめ返したのもつかの間、彼は私の手を掴むとそのまま強引に引き寄せてくる。
「礼ならちゃんと事件が解決してから言え」
そう言って後ろから抱き締めてきたコウさんが何を思ったのか私の肩に顎を乗せてくる。
その瞬間ふわり感じたコウさんの匂いと温かさにドキリと緊張が顔を出したけど、それを壊したのは他でもない彼自身の質の硬い低音ボイス。
「ところでお前さ、今日は何してた?」
「えっ?」
何でそんなことを聞くんだろう?
唐突に聞かれた質問に一瞬戸惑ったけど、別に隠すこともないわけで、私は今日の行動を振り返ると母に頼まれて慎ちゃんと買い物に行っていたことを正直に告げた。
……すると、彼の動きが一瞬止まり、より質の硬い声になった。
「二人でか?」
その問に迷うことなく「はい…」と答えると、どうしてか急に無言になり、やっぱりそのまま動かなくなる。



