愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。


「まぁ、そうだけど…」


でも本当にいいのかな?

そこまでしてもらってもいいの?

私は心配を込めてコウさんを見る。

そうしてくれるならもちろん嬉しいけど、彼の負担とかにならないのかな?


「…あの……」

「よろしく」


だけどコウさんは何の躊躇いもなくそう言った。

しかも他人行儀な余所行きの笑みを向けられて、母もいる手前それ以上突っ込むことができなかった。


まぁ、コウさんがいいならありがたいけど…

コウさんはコウさんなりに心配してくれてるのかな?


それから母は「今日は腕によりをかけてご飯を作らなきゃ」と張りきりだし、買い物に行ってしまった。

途中妹の菜々が帰ってきて、コウさんを見つけるやいなや嬉しそうに駆け寄ってくる。


「コウくんだぁ。久しぶり」

「こんにちは」


何故か最近「刑事のおじちゃん」から「コウくん」へと呼び名が変わった。

菜々は相変わらずコウさんが好きで、見ての通りめちゃくちゃなついてる。

コウさんもまたそんな菜々に嫌な顔せず、あの仏頂面を封印し、好意的に接してくれるから私としてはありがたい。