「それではこれで」
もう一度頭を下げた慎ちゃんを玄関まで見送ると、彼はいつもの爽やかな笑みで私の頭を撫でた。
「梨央またね。戸締まりはしっかりとするんだよ。必要な時は呼んで、って言っても彼がいるから俺の出番はないか」
「そんなこと…、慎ちゃんの気持ちはありがたくもらっておくね」
「ああ、でも本当に気を付けて」
もう一度頭をぽんぽんとすると、彼は穏やかに帰って言った。
そんな優しい背中を見送ると、少しだけ温かい気持ちが舞い込んでくる。
ありがとう、慎ちゃん。
心の中で感謝の気持ちを呟きリビングに戻ると、コウさんと母がが何やら改まった雰囲気で話し込んでいた。
不思議に思った私はすぐに二人のそばへ。
何か深刻な話なのかと、ちょっぴり緊張な面持ちで声をかけようとしたら、逆に母の方から先に言葉をかけられた。
「梨央聞いて、ビッグニュースよ。真白さんがね、今日うちに泊まってくださるんですって」
「えっ?」
「このまま一緒にいてくれるらしいの。ほら、タイミング悪く昨日からお父さんも出張でいないでしょ?明日まで帰ってこないって話したら心配だからぜひそうしたいって」
私はビックリしてコウさんを見た。
「…えっ、でも……」
「だってこんな時に女だけしかいないのも心細いじゃない。しかもこんな優秀な刑事さんにいてもらえるのよ。願ってもないお心使いじゃない」



