「ありがとう」
私もだよ。
こうしてまた慎ちゃんと笑い合えるなんて夢のようだもん。
3年前何もかもを諦めてた私に教えてあげたい。
あなたは大丈夫だよって。
またすぐに日の当たる綺麗な場所に戻れるよって。
「でも本当、人生って何かあるか分からないもんだね。彼には凄く感謝してるの」
「はは、いきなりのろけかよ。まさか梨央の口からそんな言葉を聞くなんて思わなかったなぁ」
慎ちゃんが目を細めて笑うから、私はまた懲りずに恥ずかしくなった。
思わず本音がもれちゃったけど、慎ちゃんからしてみたらのろけに思われてもしょうがないのかもしれない。
離婚したばかりの彼には聞きたくないセリフだったのかもしれないね。
「彼は優しい?」
だけど、慎ちゃんの追求は続く。
驚いた私は一瞬動きを止める。
まるで芸能リポーターに迫られてる芸能人の気分だ。
答えにくい…
どう反応していいのかわからず、思わず顔を赤らめちゃったけど。
目の前の瞳があまりに生き生きと優しい眼差しを向けるから、根負けした私はやっぱり本音を漏らしてしまった。
「うん、とても…」
慎ちゃんの顔は見れなかった。
さっき飲んだばかりのコップを持ち上げ、喉は乾いてないけど意味もなく口に運ぶ。



