「で、実際嬢ちゃんと会った感想は?どうでした?」

答えは何となく想像できたが、それでも興味深く丈さんを見ると、やっぱり嬉しそうな瞳とかち合った。

「いや、なかなか面白い子だったよ。正直あの晃一が惚れ込んでる女性がどんな子か私も気になってはいたが、実際彼女と話して実に楽しかった。久しぶりだよ、あんなに笑ったのは」

「貴方がそこまで気に入るなんて驚きです。けど俺も嬢ちゃんは好きですよ。なんかほっとけないっつーか、可愛がってあげたくなるタイプですよね」

「確かに、それでいて決して弱くもない。強い考えや意志ももってる。芯はしっかりしてると見てて思ったがな」

「俺も同じ意見です。あの晃一と普段言い合えるぐらいですからね。大したものですよ」

「それは頼もしい。尚更面白いじゃないか。彼女なら安心して晃一を任せられるだろう。あの子ならしっかり晃一を支えてくれる。あの二人なら大丈夫だと菜摘も納得するに違いない」

「確かに、彼女だったらなっちゃんとも気が合いそうですよね。…て、そう言えばどことなく嬢ちゃんはなっちゃんに似てませんか?雰囲気とかどことなく」

二人の姿を思い出して面白おかしく笑う。何となく昔の丈さんとなっちゃんの様子が真白達と重なって見えた。
そんな俺の言葉に丈さんも満更でもないように口元を上げる。

「くっ、否定はせんよ。弦の言う通りかもしれん。まぁ、あれだ。血は争えないってやつだ」

同感です、と同じ台詞を吐いた俺は気分よく目の前の丈と乾杯をした。
今日は貸し切りにして正解だった。
こんなに旨い酒を飲むのは久しぶりだと思いながらこの店で1番高い酒を奮発して開ける。
尊敬する元上司とこうして酒を交わすのもたまには悪くない。