有無を言わせず言葉を塞いだ俺は困惑した様子の梨央を拘束する。
肩を押し返そうとする梨央の手を握り、ベッドへと押し付けるとささやかな抵抗が艶かしい声に変わる。


「んっ…」

やけに甘く感じる。
梨央の声も感触も。いつも以上に俺の五感を揺さぶられる感覚に気持ちが高ぶる。
このまま本能のまま激しく抱きたい衝動に駆られるが、梨央も負けじとそれを許さない。

「…ね…っ、今、最後なんて言ったの?」

ほんの一瞬、唇を離した瞬間梨央が負けずと俺の勢いを遮ろうとしたが、それには答えずニヤリと口元を上げる。

「さあな」

「コ、コウさ…」

「2度は言わねーよ。その代わり今から体で教えてやるよ」

「…っ…!」

信じられないという表情に変わった梨央の前に悪戯心が沸き上がる。
だが、決まって翻弄されるのは俺の方だ。無自覚に人を煽る得意技を持ってる彼女は平気で俺の気持ちを乱そうとする。

「…コ、ウさんのバカ…」

ほっそりとした首筋に吸い付くと、少し震える声が鼓膜に届く。

「…けど、好き…。私も愛してる…」

不意打ちのセリフに思わず動きを止めた俺は油断した瞬間、拘束を解かれた梨央の両方の手でガシッて顔を捕まれる。

そのまま顔を持ち上げられハッとする。目が合った瞬間有無を言わせず口付けられた。不覚にも目を見開く。
やたら熱く感じる唇の感触に驚きながらも角度を変え、口内をされるがままに犯される。